ワイヤー矯正(表側/裏側)
ワイヤー矯正は、もっとも歴史のある矯正方法であり、現在も多くの症例に用いられています。矯正歯科の中でも幅広い症例に対応できるため、重度の不正咬合を含め、安定した治療結果が得られる手段です。大きく分けて表側矯正と裏側矯正(舌側矯正)の2つがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
まず表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する最も一般的な方法です。多くの矯正歯科医院で対応しており、費用も比較的抑えられています。強い矯正力で歯を正確に動かすことができるため、複雑な歯並びでも対応可能です。
一方、裏側矯正は装置を歯の裏側(舌側)に取り付けるため、見た目にほとんど影響がありません。特に人前に立つ職業の方や、見た目を気にする大人に人気です。しかし、発音がやや難しくなる場合や、舌に違和感を覚えることがある点には注意が必要です。また、技術的に高度なため、対応できる医院が限られ、費用も高くなる傾向があります。
以下に両者の違いを整理した比較表を掲載します。
矯正方法の比較表
項目 |
表側矯正 |
裏側矯正(舌側矯正) |
装置の位置 |
歯の表面 |
歯の裏側 |
審美性 |
見えやすい |
目立ちにくい |
発音への影響 |
少ない |
あり(慣れが必要) |
適応症例 |
軽度〜重度 |
軽度〜中等度 |
費用相場(目安) |
約70万〜90万円 |
約100万〜130万円 |
痛み・違和感 |
初期にあり |
強めの違和感あり |
治療期間 |
1年半〜3年 |
2〜3年程度 |
矯正効果そのものに大きな違いはありませんが、症例によっては裏側矯正では対応できない場合もあります。また、裏側矯正は技術を要するため、矯正歯科認定医の在籍など、経験豊富な医院を選ぶことが重要です。
審美性を最重視するか、治療の確実性とコストパフォーマンスを取るかによって、最適な選択肢は変わります。大阪市住吉区でも、表側矯正と裏側矯正の両方に対応する医院があり、事前に無料カウンセリングを受けて自分の症例に合った方法を選ぶことが推奨されます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明な樹脂製のマウスピース(アライナー)を用いて歯並びを整える治療法で、近年急速に人気を集めています。見た目の自然さや取り外しの容易さなど、従来のワイヤー矯正と比較して多くの利点があります。
まず最大の特徴は、装置が透明で目立ちにくく、仕事や学校など人と接する場面でも安心して使用できる点です。特に営業職や接客業など、人前で話す機会が多い職業の方に好まれる傾向があります。
さらに、マウスピースは自分で簡単に取り外せるため、食事や歯磨きも普段通りに行うことができます。これにより虫歯や歯周病のリスクを軽減できるという利点もあります。
一方で、マウスピース矯正にもいくつかの制限があります。
- 装着時間を守らないと効果が出にくい
- 重度の不正咬合には対応できないケースがある
- 通常よりも治療期間が延びる可能性がある
- 適切な管理が必要で、紛失や破損のリスクもある
以下に、マウスピース矯正の特徴とワイヤー矯正との違いを整理します。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い
項目 |
マウスピース矯正 |
ワイヤー矯正 |
見た目 |
目立たない(透明) |
表側は目立つ |
取り外し |
自分で可 |
固定式で不可 |
費用相場 |
約60万〜90万円 |
約70万〜130万円 |
適応症例 |
軽度〜中度の症例 |
軽度〜重度まで対応 |
痛み |
少なめ |
ワイヤー調整時に痛みあり |
管理 |
自己管理が必要 |
医師主導で管理 |
マウスピース矯正は、特に成人や大学生など「矯正したいけど目立たせたくない」「装置の違和感を避けたい」という層にとって有力な選択肢です。実際、大阪市住吉区でもこの治療法を提供するクリニックは増加しており、インビザラインやクリアコレクトなど複数のブランドに対応している医院もあります。
ただし、「できない例」もあります。たとえば歯の回転が強いケース、抜歯が必要な重度の不正咬合、顎の骨格に問題がある症例などは、マウスピースでは効果が十分でない可能性があるため、専門医の判断が欠かせません。